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「良い商品です」を百回言っても信じてもらえない理由:機能より使う場面

商品動画で長所を丁寧に話したのに、コメントには「で、私に合いますか?」ばかり。視聴者が理解できなかったわけではありません。自分が使う場面が浮かばなかったのです。今日は機能の文をひとつ、場面の文に一緒に書き換えてみましょう。

機能の文は、視聴者を「いいね」までしか連れて行きません

「吸引力が強いです」「防水です」「軽くて丈夫です」。どれも正しい言葉です。でも、これを聞いた視聴者はうなずいて次の動画へ進みます。頭の中で起きたことは「良さそうな商品だな」で止まっています。

買う人はもう一歩進みます。「これを自分の家で使ったらどうだろう」と思い浮かべるのです。消費者研究ではこれをメンタル・シミュレーションと呼びます。2012年に Journal of Consumer Research に掲載された Elder と Krishna の研究では、使う様子を思い浮かべやすい見せ方をしたとき、4つの実験すべてで購入意向が高まったと報告されています。マグカップの取っ手を見る人の利き手側に向けるだけでも、です。

同じ研究には正直な但し書きもあります。もともと好ましく思われていない商品は、使う様子が思い浮かびやすいほど購入意向が下がりました。場面は商品を包む技術ではなく、商品の実際をよりはっきり見せるレンズです。良い商品のときに力を発揮します。

同じ長所、ふたつの言い方 例文

機能の文 主語は商品 吸引力がとても強いです 完全防水の商品です とても軽いです 聞いたあと「いいね」で止まります。
場面の文 主語は視聴者 ソファの下のお菓子のくず、ひと押しで終わります 子どもが湯船に落としても、拾って拭けば大丈夫 通勤バッグに入れても、肩が気づかない重さです 聞いたあと「うちの話だ」になります。
主語を変えるのがポイントです。 機能の文は商品が何をするかを、場面の文は視聴者の一日がどう変わるかを語ります。

機能から場面までは4段です

場面の文は突然思いつくものではありません。機能から一段ずつ降りていけば書けます。機能は何か、だから何が良いのか、それはいつどこで起きるのか、そしてその場面にいるのは誰か。多くの商品動画は2段目で止まっています。

機能ひとつを場面まで降ろすはしご 例

  1. 01機能商品が持つ性質例防水です
  2. 02利点だから何が良いか例濡れても故障の心配がありません
  3. 03瞬間それはいつ、どこで起きるか例夜のお風呂の時間、湯船のそばで
  4. 04場面その瞬間の中の視聴者例子どもが落としても、拾って拭けば終わり
多くは02で止まります。「良いです」までは言っても、それが視聴者のどの瞬間に起きるのかは抜けがちです。

場面はつくるものではなく、集めてくるものです

ここで気をつけたいことがあります。場面の文は、それらしく作ることもできます。でも、画面にその場面がなければ視聴者はすぐに気づきます。Google も良いレビューについて、実際に使った経験を示す映像や写真などの根拠で主張を裏づけるよう案内しています。言葉だけの場面は、機能の文よりも早く信頼を失います。

だから、場面はすでにあるところから持ってくるのがいちばん安全です。思っているより身近にあります。

本物の場面が隠れている4つの場所

① コメント「〜のときも使えますか?」という質問質問の中の状況が、視聴者が思い浮かべている場面です。「キャンプでも使えますか?」が典型です。
② お客様の問い合わせ買う直前に聞かれる状況ショップの問い合わせやチャットに残る「子どもがいるのですが」「ワンルームなのですが」の前半を集めましょう。
③ レビュー「〜したら良かった」の前半「通勤中に」「雨の日に」「子どもを寝かせたあと」のような時間・場所の言葉が場面の材料です。
④ 自分で使った日実際に使う瞬間を撮る商品を本当に使う一日を撮っておけば、言葉で説明しなくても画面が根拠になります。
①がいちばん早いです。 前の動画のコメントに、次の動画の場面がすでに書かれていることがよくあります。

もうひとつ。場面がすべてを解決するわけではありません。Escalas の2007年の研究は、物語に入り込んでいるときと、じっくり比べて考えているときでは、説得のされ方が違うと説明しています。比べて考える人にとっては、根拠の強さが今も大切です。場面で心を開き、そのすぐ隣に数字や実際に使っている映像などの根拠を置いてください。ふたつは競い合うものではなく、ペアです。

  1. 01 · 誰が場面の中の人を決めるコメントや問い合わせにいちばんよく出てくる人をひとり選びます。「ワンルームに住む会社員」のように。
  2. 02 · いつ・どこで瞬間をひとつ選ぶその人が一日の中で商品を手に取る瞬間をひとつだけ決めます。いくつもあるとぼやけます。
  3. 03 · 何が変わることを一文で商品がないときとあるときで、その瞬間がどう違うかを一文で書きます。
  4. 04 · 見せるその場面を画面に話した場面が動画の中に実際に出てくるように撮ります。根拠はそのすぐ後に添えます。
場面の文は1本の動画にひとつで十分です。 いくつも並べると、また機能の一覧のように聞こえます。
もうひとつ。 タイトルや説明欄も同じ考え方です。「超強力コードレス掃除機」より「ワンルームの床を5分で掃除」のほうが、視聴者が実際に検索する言葉に近いことがよくあります。ただし、動画にその場面がないならタイトルには使わないでください。約束と内容が違うと、視聴者が先に離れていきます。

今日できる3分チェック

最近公開した商品動画をひとつと、そのコメント欄を開いてください。

  1. 1分 · 数える最初の30秒の機能の文を数える「強力な」「便利な」「丈夫な」のように、商品が主語の文がいくつあるか数えてみましょう。
  2. 1分 · 探すコメントで「〜のとき」を探すCtrl+F で「とき」「なのですが」を検索します。出てきた状況が次の動画の場面候補です。
  3. 1分 · 書き換える一文だけ場面にいちばんよく話している機能をひとつ選び、上のはしごの04段まで降ろして書いてみてください。

手作業だとどこで行き詰まるか

動画が1本なら3分で終わります。でも、チャンネルに商品動画が30本あり、それぞれがどこで視聴者を逃しているのか、何から直すべきかの順番を決めるとなると話は別です。見直して、コメントを読み直して、メモを比べているうちに、次の撮影が後回しになります。

その整理を VIDEOudit が代わりに行います。動画の URL を入れるだけで、その動画で手を入れられるところを一度に読み取り、何から直すと良いかを順番に示します。場面を撮る時間を生み出すための道具です。

ただし VIDEOudit は、商品そのものの品質、価格、在庫、配送条件、撮影現場の事情は見ることができません。そこはご自身で判断してください。

あなたの動画がどこで視聴者を逃しているのか、VIDEOudit で診断してみてください。

出典

  1. Elder, R. S. & Krishna, A. (2012). The "Visual Depiction Effect" in Advertising: Facilitating Embodied Mental Simulation through Product Orientation. Journal of Consumer Research, 38(6), 988–1003
  2. Escalas, J. E. (2007). Self-Referencing and Persuasion: Narrative Transportation versus Analytical Elaboration. Journal of Consumer Research, 33(4), 421–429
  3. Google 検索セントラル · Write high quality reviews(実体験を示す根拠、長所と短所、2025-12-10 更新)